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イスラエルスタートアップ500社以上とミーティングしてきた僕が学んだこと

  • 2023年1月9日
  • 読了時間: 4分

更新日:2023年7月30日

#1「やらないことのリスク」


2018年、親友であるイスラエル人のヨアブとミリオンステップス(株)を創業してから5年が経ちました。


この5年間、本当に色々とありました。


創業当初は全く知名度もなく、経験もない僕らでしたが、イスラエルや日本の様々な方々にご協力いただき、やっとの思いで最初のクライアント(想定外にも日系大手企業)をゲットすることができました。そのクライアントとは、現在もお仕事をさせていただいており、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

コロナ前までの主軸のひとつ、日本企業とのイスラエル訪問では、毎月のようにイスラエルを訪問し、総計500社以上のイスラエルスタートアップとミーティングを重ねてきました。

また、イスラエル訪問時のミーティングは、スタートアップ創業者の他に、ベンチャーキャピタル創業者、イスラエルイノベーションエコシステム構築に設立当初から携わってきた方々ともお会いさせて頂き、沢山のことを学ばせて頂きました。


今回は、500社以上のイスラエルスタートアップとミーティングをし、創業者の方々から学んだことの一つ「やらないことのリスク」について僕の見解を共有したいと思います。

様々なイスラエルに関するセミナーや記事などを読ませていただくと、イスラエルの人々は「リスクを恐れない」と表現されています。確かに、イスラエルの人々は様々なことに果敢にチャレンジし、うまくいかなくても再度チャレンジすることを当たり前のように考えている行動をとっているためか、「リスクを恐れない」ように映るのかなと思います。

ただ、僕の見解は、少し違っています。


実は、イスラエルの人々はリスクを恐れているのだと思っています。ただ、「リスク」についての考え方が他の国々、特に日本と違っていると思っています。もちろん、チャレンジすることにはリスクが付きまといます。

ただ、イスラエルの人々は、「新しいことにチャレンジしないこと、そのままでいることの方がリスクが高い」と考えている印象を持ってます。

そして、この考え方は、ユダヤのカルチャーの本質でもあるように思います。

(このトピックに触れると長くなるので、今回はスキップさせて頂きますが、興味がある方は是非、調べてみてください。僕もそのうち触れたいトピックだと思ってますので、ブログをアップしたらお知らせしますね。)

このリスクに対する考え方は、ユダヤ特有のカルチャーで、スタートアップ創業者だけが持っている考え方ではないと思います。

スタートアップを支援するVCはもちろんのこと、イスラエルに拠点を置く数多の多国籍企業や政府機関も同じような考え方を持ち、スタートアップと共にリスクを取り、果敢にチャレンジし続けています。


事例は多く存在しますが、ここでは一つ、Israel Innovation Authority・イスラエル・イノベーション庁(IIA)の事例をご紹介させていただきます。

IIAとは、名前の通り、イスラエルのイノベーションを推進させるために設置された政府機関であり、政府機関として新しいスタートアップのプロジェクト、特にリスクが高いアーリーステージが考える先進的な技術に対して補助金を提供しています。


“Our objective is to make sure Israeli technology remains at the forefront of innovation going forward,” Bin says. “We are not looking to invest where people are investing already. We are looking to identify the needs of the future by funding the highest-risk projects, where the innovation is three-to-five years ahead.”

和訳

「私たちの目標は、イスラエルのテクノロジーが今後もイノベーションの最前線にあり続けるようにすることです。」Bin氏「私たちは、人々がすでに投資しているところに投資しようとは思っていません。私たちは、最もリスクの高いプロジェクトに資金を提供することで、将来のニーズを見極め、3年から5年先を見据えた技術革新を実現したいと考えています。」


つまり、イスラエルのイノベーションアウトプットを継続していくためにはVCや多国籍企業が投資している分野に補助金を提供しても意味がなく、一番リスクが高いアーリーステージのスタートアップのプロジェクトに対して国がリードをとり、補助金を提供しており、これを行うには、技術だけではなく、プロジェクトの見極めをする必要があります。そのため、IIAは多くの経験豊富な起業家、専門家などがチームを組み、見極めを行っています。

このように政府機関自体も「やらないことのリスク」の考え方を持ち、イノベーションを最前線でリードしています。だからこそ、イスラエルの人々はこれからもチャレンジし続け、世界にインパクトを与えるようなイノベーションを産み続けていくのだと僕は思うし、このような人達と毎日、深く関われることにワクワクしています。


一方で、スタートアップ大国と言われていたイスラエルですが、1年間当たりのスタートアップ創業数を見てみると、大きな変化が起きています。

スタートアップ創業数は2014年の約1,400社をピークに減少し続けており、2022年は300社程度まで落ち込む見込みとも言われています。

毎年多くのスタートアップを世界に輩出してきたイスラエルではありますが、現在、この成熟したエコシステムに大きな変化が起きており、この課題解決に取り組む政府機関、金融機関、VCなどの動きが目立ってきています。


次回は、変化するイスラエルイノベーションエコシステムについて触れたいと思います。

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